位牌の正しい処分の方法や注意点?費用やお寺・業者への依頼方法など解説します。
- Shinji Iwata
- 2022年2月18日
- 読了時間: 6分
更新日:4月9日

仏像や、位牌、掛け軸、遺影はどのようの処分すれば良いのでしょうか。
それぞれには信仰上どのような意味があるのか、その役割を理解したうえで処分の方法も検討すべきです。
特に位牌は故人の魂が宿るものとして基本的には処分することは無く永遠に使うものですが、特別な都合や理由で処分しなければならないケースもあります。
今回は位牌の処分方法について詳細に解説致します。
目次
■位牌を処分するのはどんなとき?
①四十九日の法要で本位牌に変えたあとの仮位牌は不要になります。
葬儀から四十九日までは急ごしらえの仮の白い位牌(白木位牌)を使用し四十九日の法要から本位牌に交換します。本位牌が準備できましたら白木位牌は魂抜きをした後その役目を終えて処分することになります。
※参照記事⇒白木位牌の正しい処分方法と注意点
②壊れたり古くなって作り変えたときは処分します。
傷んだり壊れたり汚れたりすることもありますが、その場合は作り変えることは問題ありません。故人の魂が宿る拠所ですので、魂が安静できるモノとして祀る側が「こうしてあげたい」と願うことは禁忌を犯すものではありません。魂を抜いた古い位牌は処分することになります。
③繰り出し位牌にまとめたあとの本位牌は処分します。
本位牌が増えてきて、例えば仏壇に入りきらないといった場合には、繰り出し位牌に纏めることができます。繰り出し位牌とは、本位牌一つ一つを札板に書き替えて、箱型の本体に収納できる種類の位牌のことです。普段は●●家先祖代々之霊位と書かれた札板を表に出しておいて、故人の命日に対象の札板を見えるように表に出してお祀りします。
まとめられた古い本位牌は処分することになります。
※参照記事⇒たくさんのお位牌を、弔い上げして、まとめる方法
④管理する人がいなくなるとき、役目を終えて頂きます。
慣習としては特殊ですが処分に困る方のほとんどがこのケースであり、お困りの方が非常に増えています。
お墓や仏壇もそうですが、少子化、核家族化の社会背景もあって祭祀承継(ご先祖様を祀る儀式の継続を義務として引き継ぐこと)が難しい家系が増えていることが理由です。
単純に娘さんしかいない、子供がいない、といったご家族は、ご自身以降の管理を任せる人がいなくなるので位牌の今後についてを検討することになります。
そんな場合は位牌をお寺や宗教法人の霊園に預けて供養を継続してもらうことができます。たとえ子孫が絶え供養する人がいなくなっても魂が安らかに眠れるように供養を永遠に継続管理してもらうことができ、理想的なのは、お墓、遺骨、仏壇、位牌をバラバラに考えるのではなく全体をセットで供養と処分の方法を選ぶことで費用も合理的に抑えることができて手間も最小限で済みます。
例えば遺骨を預けて(納骨)永代供養をお寺にお願いした時には、墓石(お墓)も仏壇も位牌もすべて処分することになります。
■位牌を処分する方法とは?
位牌には個人の魂(御霊)が込められていて、処分する場合には物体から再び魂を抜く儀式をする必要があります。「閉眼供養」、「魂抜き」と呼ばれるこの儀式はお寺の僧侶が仕切ります。
魂を抜いた位牌は、故人がそこの拠り所としていた大切なモノですので、物体となった魂のない抜け殻であってもお焚き上げ(燃やすことで天界に魂を還す供養)を行うのがよいとされています。

■位牌の処分は誰に依頼する?
一般的にはまず菩提寺に相談します。お寺に位牌を供養して引き取っていただくことができます。あるいはお寺に置いて管理することも相談できます。菩提寺が遠い場合や相談しにくいときは近所のお寺でも相談に乗ってくれます。宗派やお墓、仏壇のお祀りしてある状況などを踏まえてアドバイスをもらうことが出来ます。
なぜお寺や神社といった宗教法人でしか位牌(霊璽)を扱えないかというと、位牌は故人の魂が込められた信仰上の象徴としての役割があり、その魂入れは寺院(神社)の僧侶(神主)にしかできないとされているからです。
位牌の処分は、僧侶の読教による魂抜きの儀式のあとにお焚き上げすることが推奨されます。ですからお寺の他にも、葬儀社、仏壇仏具店、遺品整理業者などが引き取ってくれますが、この魂抜きの儀式をしない、あるいはできないところがほとんどですので、事前に魂を抜く儀式である「閉眼供養」、「魂抜き」を別途行う必要があります。
遺品整理業者や不用品回収業者の中には仏事の知識がなく扱うこともありますので、本来の宗教的な慣習に則って正しく処分したい場合には注意が必要です。
さくらサービス東京では、提携のお寺との協業で、供養からお焚き上げまでのお位牌仕舞いのサービスを提供しています。郵送での受付も行っておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

■位牌の供養と処分の費用
費用は概ね以下のような相場です。
お寺
周忌法要と合わせて閉眼供養を行う場合などはお布施として1万円から10万円ほどの相場です。お焚き上げのみで引き取っていただく場合は安くて5千円から1万円。
葬儀社や仏壇店
サポートサービスという位置付けでリーズナブルに取り扱ってくれます。千円~1万円程度
遺品整理業者や仏壇供養処分店
無料~数千円程度
■位牌を処分するときの注意点
①処分後はもとに戻らない
魂の拠り所である位牌をお焚き上げすると御霊は天に還ります。元に戻すことはできません。新しい気持ちで出発してください。
②処分の費用は様々
依頼先によっても、供養と処分のやり方で費用は変わってきます。最終的にご先祖様や故人に感謝する対応で正しい方法で役目を終えて頂きたいわけですが、料金が安ければ心配ですし、逆に相場以上の大きな負担がより正しい方法とは限りません。依頼先が信用できるところかどうかを慎重に検討して下さい。かといって、ありがたい高名なお坊さんや寺院の場合には料金のケタが変わることがありますのでほどほどに・・・。
③家族、親族と相談して決める
特に問題ないだろうと処分を決めてしまうと、あとあとでトラブルになることが多いです。位牌、遺影、仏壇は、いつも身近にいない人にとっては特別なものですので、処分の際にはかならず声をかける気使いが大切です。
④処分の依頼先によって廃棄の方法も様々
まず処分の方法より先に、魂抜きの供養を正しく行っているかが重要です。お焚き上げをサービスにしている業者は、一般ゴミと一緒に焼却炉にいれているケースもあります。
最終的な処分の方法は確認できないことが多いので不安ですが、お坊さんがきちんと供養してくれるかを確認することと、粗末に扱うことなくきちんとお焚き上げしてくれる信頼できる専門業者かどうかを確認しましょう。
お坊さんの供養の様子を後から証明してくれて、かつ写真を残してくれる業者なら信頼できます。
廃品回収の業者さんは供養手配やお寺との提携が無いケースが多いので要注意。当然供養せずに廃棄する業者は料金も安目です。
さくらサービス東京なら、お位牌1本の供養の様子も後から確認できます。
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