魂が宿っていると捨てられない?お仏壇やお位牌の処分の考え方について。
- fujii61
- 2024年7月23日
- 読了時間: 7分
更新日:4月9日
日本人の家の4割にはお仏壇があると言われます。
日本人の若者は家から離れた都会に暮らし、お墓も仏壇も手を合わせるのは里帰りの年2回だけというような話は、少子高齢化や核家族化といった社会課題とともに一般化しました。
菩提寺との関係も無くなり、信仰も薄れ、家に残された仏壇や位牌は世代が変わるとその引継ぎの負担や、供養の継続への不安が課題視されるようになります。
本編では、お仏壇、仏具の扱い方や供養の基本的な考え方についてご説明します。そのうえで若い世代への引継ぎや、あるいは処分についての正しい知識を持っていただければ幸いです。

【お仏壇と仏具についての基礎知識】
仏具とは?
仏具とは、仏教の宗教儀式で用いる道具を指します。
本来は僧侶のみが使用する宗教用具でした。お仏壇、仏具はお寺の本堂を小型化して模したものといわれ、家にお寺があるような役割を持っているとされています。つまりお寺の本堂の代わりとしてお仏壇を家に安置しているのです。
仏壇が家庭に普及するに伴い、ご先祖様を供養するための意味合いが強くなるようになりました。
● 主たる7つの仏具
(1)ご本尊(ほんぞん)・脇仏(わきぶつ・わきぼとけ)
「ご本尊」とは、お仏壇の中心にお祀りする各宗派の信仰対象となる一番大切なものとなります。「脇仏」は、ご本尊の左右に控える、各宗派の開祖や影響のある僧侶などを表します。
(2)お位牌(いはい)
ご先祖様の霊魂が宿る依代(よりしろ)とされる重要な仏具です。新しいお体という意味合いもあります。亡くなってから頂く 戒名(かいみょう)や没年月日、俗名(本名)や年齢などを刻んで、お寺様に「魂入れ」をしていただき、 お仏壇の中にお祀りします。
(3)法名軸(ほうみょうじく)
浄土真宗のみで使用します。無地の掛軸に法名(ほうみょう)を記し、お仏壇の内側面に下げてお祀りします。
(4)三具足(みつぐそく)
花立(はなたて)、香炉(こうろ)、火立(ひたて)のセットです。
(5)お鈴(おりん)
お経を読み上げる際に鳴らして使用する仏具です。「おりん」「りん布団」「りん棒」で1セットとなります。
(6)茶湯器(ちゃとうき)
お仏壇にお水をお供えするための仏具です。お水は毎日取り換えましょう。
(7)仏飯器(ぶっぱんき)
炊きたてのご飯をお仏壇へお供えするためのお仏具です。仏飯器の足が高くなっているのは、敬いの心の表れと言われています。
魂の宿った仏具
ほとんどの仏教の宗派では、仏壇やお位牌、お墓などに「魂を入れる」「魂を抜く」という考えを持っています。
魂入れの対象は、仏壇の中のご本尊様とお位牌とお墓です。仏壇やお位牌、お墓を購入した時、お坊さんに魂入れをしてもらうことで、普通のものから手を合わせる対象になるといわれています。
そのため、仏壇やお位牌、お墓は、魂が宿っている状態のまま移動したり処分したり捨てたりするのはタブーとされてきました。魂が宿っている礼拝対象は、魂抜きを僧侶に依頼して、普通のモノに戻してからでないと処分できないとされています。
魂抜きとは、お坊さんにお経をあげていただき、仏壇やお位牌、お墓に宿った魂を抜いくための供養の儀式です。閉眼供養(へいげんくよう)と言います。
お仏壇、仏具の処分・位牌のお焚き上げ
「後継ぎがいないため、お仏壇を引き継ぐことが出来なくなった…」
「引っ越しなど、生活環境の変化により、お仏壇を守ることが難しくなった…」
「田舎の大きな仏壇を持ってくるのは今の住環境では無理‥‥」
お仏壇は子孫に代々引き継がれるものですが、今のライフスタイルに合っていないことから信仰を否定はしないが継続が困難な場合にはお仏壇を処分することを検討しましょう。
代々引き継いできた大切なお仏壇を処分するのはご先祖様に申し訳ないと考える方もいるでしょう。しかし、跡継ぎがいない、無理をして管理する、といった問題を抱えると結局お仏壇を供養し守っていく心がなくなるため、放置したり粗末な扱いになるくらいなら適切な方法で処分するのが賢明です。
そして魂の宿る仏具に対して供養を施します。仏壇の中のご本尊様とお位牌です。その他のものは、儀式で魂を抜く対象ではないので、供養のときに添えてもらえれば大丈夫です。では仏壇の中のご本尊様だけで、仏壇の本体は(箱には魂が宿っていないから)供養はいらないのか?と疑問がわきます。その答えはお寺や宗派で異なります。ただの箱なので粗大ゴミでOKというお寺もいらっしゃいます。
しかし家の中のお寺であり、大事な魂が安置されていた箱なので、最後まで大切に扱いましょうというのが一般的な考え方です。
自分の納得いく形で、感謝の気持ちも込めて対処すれば良し、というのが答えです。
さくらサービス東京では、故人が生前に大切にされていた人形や思いがこもっていてそのまま捨てられない物などもあわせて供養します。
お仏壇仏具、お位牌を処分する際の基本的な流れ
【方法1】 頼れるなら、まず菩提寺に処分を依頼する。
昔から檀家であるなど、お付き合いのあるお寺であれば、お仏壇や仏具の処分を引き受けてくれることがあります。基本的には自分で持って行く必要があり、供養はするが処分はできない、そもそも受け入れをしていないといったお寺もあります。
【方法2】 お焚き上げ業者に処分を依頼する。
最近は手続きもスムーズで料金も明確です。自宅へ引き取りに来てもらえるので重いお仏壇を自分で運ぶ手間もありませんが、信頼できる業者を自分で探す必要があります。
【方法3】 仏壇店に依頼する
お焚き上げ業者と同様に、手続きもスムーズで引き取り日時の指定も可能です。ご供養に関する専門知識を備えているので、処分の際の注意点やお焚き上げ後の供養の方法についても相談できます。また、新しいお仏壇の購入(買い替え)と同時にご検討であれば、お焚き上げ料金の割引などのメリットもあります。
【その他】 手元供養する
最近では供養のスタイルも柔軟で、既成概念に捕らわれず新しい手法がとられています。例えば大物の仏具(仏壇、経机など)を省いて最低限の簡素な仏具のみで行う「手元供養」など様々な方法で想いを繋いでいくことができます。お寺を呼ばないでご供養して行くのであれば、お仏壇を処分することに全く問題は無いでしょう。
しかし「一周忌にはお坊さんにお経をあげてほしい」「お盆にはお坊さんにお参りに来てほしい」というような思いがおありでしたらお仏壇は家に有ったほうが良いです。自宅にお仏壇が無いということは、基本的にはお寺を呼ぶことが難しくなるからです。
最後に トラブルを避けるための注意点
最後に、仏壇の処分に際してトラブルを避けるための注意点について解説します。まず、処分の業者選びは慎重に行うべきです。信頼性のある業者を選ぶためには、過去の評判や口コミを参考にすると良いでしょう。また、見積もりを複数の業者から取得し、料金やサービス内容を比較することも重要です。
一番重要なことはどこで誰が供養しているのかということです。単に知り合いのお寺に依頼して儀式をしているのであれば、専門知識のないただの不用品回収業者の可能性もあります。供養を専門にしている粗末な扱いをしない仏壇供養に詳しい業者を選び出し下さい。
キャンペーンの割引などは気にせず、大切な仏壇を責任を持って引き取ってくれるプロの方に任せるのが一番です。
さらに、必要な手続きや費用について明確にしておくことで、後に発生する可能性のある不明瞭な点を解消できます。尊厳を持って仏壇を処分しましょう。
供養の専門業者 さくらサービス東京
自社供養所にて由緒正しい僧侶による閉眼供養を合同で行うことで、廃棄に対して不安を持ってらっしゃる方にも安心して処分をお任せいただいております。
さくらサービスの閉眼供養は月に1~3回開催しています。
供養の証明書はお寺の捺印で発行致します。

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