お仏壇に関して意外に知られていない基礎知識をまとめました。仏壇の種類や特徴、購入時の選びかたのポイント、また役目を終えた仏壇の処分の方法などを解説いたします。
目次
・お仏壇とは
・お仏壇の種類
・お仏壇の選び方
・お仏壇の処分の仕方
・お仏壇に供養は必要なのか?
・お仏壇処分の4っの方法について
・さいごに
お仏壇とは
お仏壇とは、亡くなった家族やご先祖を祀るためのもの、という考え方が一般的ですが、実は家族にご不幸があって初めて必要になるものではありません。
中心に安置されているのはご本尊様です。お仏壇とは、ご本尊様をお祀りするお家と考えると分かりやすいかもしれません。
仏壇を買うとき、何を基準に選べばいいのか分からない。そんな声を聞くことがあります。お仏壇は一度購入すると、なかなか買い替えることのできないものです。
いざというときに何も分からずに購入してしまうことにならないよう、まずはお仏壇のことをよくお知りになることが、よいお仏壇をご購入される一番の近道です。
お仏壇には様々な種類があり、お飾りや配置にも宗派によって種類や違いがあります。ご家庭に合った種類のお仏壇をお選びください。
お仏壇の種類
家具調仏壇
モダン仏壇とも呼ばれ、現代の生活にマッチした、インテリア風デザインのお仏壇です。 和室、洋室のどちらにもよく調和し、各宗派でご利用いただける構造になっています。
唐木仏壇
唐木仏壇の素材は、黒檀、紫檀をはじめ、欅・楡・桜・鉄刀木・黒柿・黄金丹などが使用され、荘重な生地の艶を活かしたつくりで、明治時代の初め頃から作られるようになったといわれています。唐木仏壇は、特に東京で発達しました。関東大震災で東京が焼け野原になり、その後から唐木仏壇が流行したといわれています。きらびやかな装飾などはありませんが、落ち着きのある仕上がりになっています。
金仏壇
金箔と漆で仕上られる金仏壇は、京仏壇に代表される伝統的なお仏壇です。きらびやかで荘厳な姿は、浄土の世界を表現しているといわれています。主に関西を中心に祀られています。日本古来の伝統工芸の技法を結集し、全ての工程に、真心を込めて手づくりされた豪華なお仏壇で、工芸美術の極と称されています。
上置型仏壇 手元供養仏壇
お仏壇を置きたいけれど、お部屋のスペースが足りない……という方に最適な、タンスやサイドボードなどの上に置くことのできる、小型のお仏壇です。
お仏壇の選び方
ライフスタイルに調和したものを選びましょう。
・お仏壇を置く場所
・種類とサイズ
・宗派で選ぶ
・金額で選ぶ
現在では仏間のある住居自体が少なくなり、リビングや寝室など、手を合わせやすい場所に置かれる方が多くなっています。
同じ仏教でも宗派ごとにお仏壇やお仏具の種類が変わります。またお位牌でも決まりごとがありますので、事前に宗派の確認をしましょう。
いずれご実家のお仏壇を継ぐご予定がなく、購入されるお仏壇を今後も末永くご使用されるご予定があるようでしたら、簡易的なものではなく、お参りに最小限必要なお仏具一式は揃えられた方がよいかと存じます。
お仏壇の処分の仕方
ライフスタイルに合わなくなった仏壇は魂抜きを行って供養します。
仏壇がなくなった後、供養をどのように続けていくのか、ここが一番大事です。
考え方としては
・新しい場所(仏壇)を用意する。つまり自分で供養し続ける。
・寺にご本尊や位牌を持って行って永代供養にする。つまりお寺に預けて任せる。
・自分以外の人間のところに供養品を引っ越しする。つまり他の人に引き継ぐ。
・完全に整理する。お焚き上げしてご先祖様の魂を天に還し供養を自分の代で終わらせる。
この他にもいろいろなやり方で多種な方向性があると思います。
スペースだけの問題で仏壇を処分されたなら今は省スペースでコンパクトでデザイン性に優れた仏壇がたくさんあります。仏壇業界は非常に厳しいのですが、これは売れているそうです。あまり高額なものは時代に合っていない気がします。
仏壇に供養は必要なのか?
仏壇は本尊や位牌などの手を合わせる礼拝対象を安置する大切な場所です。宗派によっても仏壇の処分の仕方については、同じ仏教でありながらもかなり解釈が異なります。教派が違えば細かい教理も異なるため、仏壇の処分に関する考え方も様々に方針が異なるようです。
但し一貫しているのは魂はこもっていないので魂抜きは不要であるということ。しかしこれはご本尊が無い場合の話。普通のご家庭の仏壇には必ずご本尊があって、たいていの場合は一緒に処分されようとされていたりします。
つまり仏壇は供養が必要です、と一般的に言われているのはこのご本尊のことなのです。
では仏壇はただの箱なのか、というとまた意見が様々です。ですが礼拝対象を安置してきた大切な場所ですから粗末な扱いはできないはずです。
ということで仮にご本尊がないお仏壇だったとしても粗末に扱うことなく、ご先祖様を安置し守ってきてくれた箱の役目を終えたならその感謝を込めて最後はきちんと供養しましょう、というのが筆者としては一番腑に落ちるところなのです。
供養はきちんとするという前提で処分だけを考えると方法は「お寺に頼む」「仏具店に頼む」「回収処分業者に頼む」「地方公共団体の粗大ごみに出す」の4つです。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、手間やコストを考えて選択してください。仏壇の意味や処分の方法、手順や注意点をきちんと知っておけば、後で後悔することも有りません。
仏壇処分の4っの方法について
・お寺に引き取ってもらう
菩提寺がある場合、閉眼供養をした後、そのまま引き取ってもらえるお寺もあります。お寺によっては、菩提寺と檀家の関係でなくても仏壇の引き取りや供養を行っていることもあります。但し運んできて欲しい、或いは供養後には自分で処分してください、というお寺が多いようです。とはいえ供養はお坊さんしかできないお仕事ですからお任せできるなら一番安心です。 ・仏具店に引き取ってもらう
多くの仏具店が仏壇を販売だけでなく処分引き取りサービスを同時に行っています。また、一部の仏具店では閉眼供養から処分までを一括で行ってくれるところもあります。但し購入時のサービスで他社購入のものだったりすると対応できないところもあるようです。新しく仏壇を購入される場合には必ず古い仏壇の処分についてご相談されることをお勧めします。魂抜き、魂入れは、抜いて新規にいれるのではなくご先祖様の魂を引き続き込めるものですから、両方を仏具店さんがサポート頂けると非常に心強いです。
・業者に処分を依頼する
処分を専門に取り扱っている業者を利用するのもひとつの方法です。単純に処分だけの業者と供養などの必要な法要を全て行ってくれる業者があるため、自分の事情にあった業者に依頼しましょう。事前に供養できるのなら前者を。供養もセットでということでしたら後者を。但し後者は合同で供養をしてくれる分料金は比較的安くなります。個別供養を手配できる業者もいますのでこちらもご相談頂けます。
・粗大ごみとして処分する
仏壇の中のご本尊の閉眼供養が完了したもの、あるいは仏壇そのものは、宗教上は礼拝の対象ではない状態であるため、粗大ごみとして廃棄することは宗教上問題ありません。
供養が終わっていてどうしても処分する手段がないということでしたら行政サービスにお願いすることも検討下さい。粗大ゴミに出すということです。しかし魂がなくても仏壇はゴミではありませんし、あくまでも粗末に扱わないでいただきたいという思いが強いですが他の粗大ゴミと分けて扱ってもらえるのかどうかは分かりません。
大きさによって処分手数料はかわり、決められた場所に運んでおけば指定の業者が運んで行ってくれます。但し処分費用は数百円~数千円と(引き受けてもらえるなら)格安に処分することが可能です。
※特殊な例で見てみますと
創価学会と浄土真宗についての処分の方法についてご紹介します。
これらの教派は他の教派と比べて独特な部分があるため事前に確認が必要です。 創価学会の仏壇は特殊なものなので一般的な仏具屋では引き取ってもらえないそうです。創価学会の仏具を取り扱っている専門の仏具屋などに依頼します。 しかし創価学会専門の仏具屋に依頼すると割高になることから、仏像や掛け軸などの御本尊は創価学会の地区会館に引き取ってもらって、仏壇は業者に引き取ってもらう方が多いようです。
浄土真宗の場合はそもそも魂がこもっているという概念がありませんので閉眼供養というものがありません。浄土真宗では、人が死ぬとすぐに天国に召されるという教理があります。仏壇や仏道に故人の魂が残るという考え方はありません。従って、故人の魂を抜く儀式は不要です。※代わりに遷座法要と呼ばれる法要を行います。
さいごに
仏壇整理の重要なポイントは4つでした。
①仏壇がなくなったあとの供養の方法を決めておくこと
②納得がいく方法で処分できる依頼先を探すということ
③最後まで大切にする気持ちが大事、粗末に扱わないこと
④貴重品や大切なものを入れっぱなしで、仏壇の中に置き忘れをしないこと
この中で一番重要なことが①です。
周囲の意見やお寺、専門家の声にも耳を傾けてください。
難しいのが②のリサーチです。
さくらサービス東京はお客様の気持ちに寄り添ってお仏壇を引き取り続けています。
参考にして頂ければと思います。
仏壇供養のさくらサービス東京
お問合せ ☏ 0120-695-645
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